新卒から5年間で使い倒したノートの数が15冊を越えた。
改めてどのノート術が効果的だったのかをふり返ります。
こんにちは、しましまこと髙島聖也(@seiyatakashima)です。
紙のノートが大好きだ!
5年間でノート15冊
先ほど本棚を整理していたら昔のノートが出てきました。
新卒でIT企業の営業をやっていたとき、新入社員研修で使っていたときのもの。
懐かしいな〜と思って、大学卒業から今までに使い切ったノートを掘り起こしてみました。
その数、15冊。
5年間で15冊という数字は、別に多くも少なくもないとは思います。
ただ、思えばこれまでノートの”使い方”についてはかなりしっかり考えてきました。
人生のさまざまなライフステージにおいて(といっても5年間だが)、その時々に合わせたノート術を検討してきたつもりです。
そして、いま改めてノートとの向き合い方を考え直すタイミングがきたようです。
これまでのノートについて、実際のページをふり返りながら、これまでどういうふうに書き込んできたのかを検証したいと思います。
これはなかなか恥ずかしいぞ。
でもブランド社員代表・ZOZO田端信太郎さんが著書『ブランド人になれ! 会社の奴隷解放宣言(幻冬舎・2018)』でこんなことを言っていた。
正直とは何か? それは「パンツを脱げるか」ということだ。
わたしはいまここでパンツ1枚になろう。
だからみなさん、オススメのノートとその活用法を教えてください。
新卒、憧れのモレスキン
さて、わたしがノートを人生に取り入れたのは大学卒業後、新卒で入った会社で働き始めてからだ。
ベンチャー気質の残る老舗IT企業(矛盾しているようだがこれがマジなのだった)の意識高めの同僚に「デキるビジネスマンの基本はノートだ」と洗脳され、入社とほぼ同時にノート術についての本をむさぼり読んだ。
幸いなことに、20代ビジネスマン見習い向けの自己啓発書や雑誌は世の中に腐るほどあったし、大型書店では実際に漬けすぎた沢庵みたいな臭いを発しているものもあったほど(もちろん比喩だ)。
もちろんそれまでも小学生の頃から、ノート自体は使っていた。
だが、それはあくまで「板書を書き写す」ものでしかなかった。
わたしはとてもじゃないが勉強熱心なタイプではなかったし、学生のうちは「じぶんを高めるために書く」なんでまったく考えたことがなかった。
ただ、当時からなんとなく憧れていたノートがあった。
それがモレスキンMoleskineだ。
重厚なハードカバーはそれだけで高級感に満ち、ハイブランドの時計に似たカッコよさを感じていた。
手に取るノート術の書籍には必ず紹介されていたので、まず間違いないなと思ったものだ。
あるいは、クリエイティブで知的な先輩が使っていた印象が強かったのかもしれない。
先輩の女子が赤いカバーのダイアリーを使っていたんだ。あれは魅力的だった。
とにかくわたしは、22歳にして晴れてモレスキンデビューを果たしたのだった。
この頃から変わっていないのだが、わたしのノート活用はいたってシンプル。
出来事と思考のすべてを記す、だ。
打ち合わせがあれば内容を書き留め、後ほどふり返りながら思考を発展させる。
アイディアを思いついたら忘れないうちに書いておく。
おもしろい話を耳にしたらすぐにメモする。
映画や本に感動したら、半券や帯と共に残しておく。
こんな感じでとにかく全部書くということを意識していた。
あんまり深いことは考えていなかった。
書けば書くほどなにかの能力が高まるはずだと信じていた。
いまもそうなのだが、昔に書いたページをふり返って新たに手を加えるということをしがち。
知らない言葉をメモったら後で調べて書き加えたり、その時まとまらなかった思考を改めて考え直したりする。
徹底的に書いて、徹底的に見返すというのがわたしのノートとの向き合い方かもしれない。
ちなみに、当時は大小2冊のノートを使っていた。
ラージサイズは打ち合わせや思考の整理に。
ポケットサイズは文字通り、ジャケットの内ポケットに忍ばせて、ちょっとしたことをメモするのに使うのだ。
常に2冊のノートを持ち歩いては書き留めるのだが、基本的には大きいノートにまとめたい。
だから、定期的にポケットからラージへ情報の移植を行っていた。
これは手間だったが、ポケットに書くことは基本的に瞬発性の高いものばかりだったし、後々役立つものも多い。
一瞬のヒラメキをポケットに、アーカイブはラージに残す。
これは我ながら良かったのではないかと思う。
とまぁ、そんな感じでわたしの新卒時代はすべてモレスキンに残っています。
結局この会社には1年もいなかったのだが、その間にモレスキンのポケット2冊、ラージ2冊、ダイアリー1冊の計5冊を書き潰した。
ベンチャーよろしく非常に濃密で実り多き時間を過ごさせていただいた、その苦しさも楽しさもすべて読み返すことができます。今読み返してもちょっと吐きそうだ…
転職後はツバメと向き合う
それから訳あって茨城県稲敷市の「地域おこし協力隊」に着任した。
仕事はクリエイティブでやりがいに満ちていたが、年収が大きく下がった。
また、日々考えることが多くノートの使用量が激増した。
割高なモレスキンを使い続けることが正直つらくなってきた時期だった。
また、地元の先輩から「高級文房具使いやがって」と揶揄されたことも大きい。
使っているノートで印象悪くなることもあるんだなぁと強く心に留め、これを機に新しいノートを求めた。
そんな時にであったのがツバメノートだ。
愛用していたのはこのA5サイズの100枚綴り。
とにかくたくさん書きたいわたしにはぴったりだった。
当時は万年筆1色ですべて記していたのだが、紙質も抜群だった。正直モレスキンとは比にならぬ。
「地域おこし協力隊」の時はとにかく思考をアウトプットする必要があった。
これはIT営業時代とはだいぶ異なる状況だ。
営業の頃は1日3件ほどクライアントを回り、主に調整と新規企画の検討。書き出すのはインプットが8割以上。
打ち合わせ時の事実を淡々と記し、そこにじぶんのアイディアを付け加えていく感じだろうか。
協力隊としての仕事はアウトプットがメインだった。
とにかくまちの現状を考え、未来を想像し、企画を構想する。
ノートの使い方は、頭の中をめぐるイメージをひたすら紙に起こす作業に近い。
地域おこしみたいな正解のない領域に思考を凝らすことはほとんど哲学だった。
ただその時間はとても楽しかったらしいことがノートから伺えます。
ツバメノートの難点としては表紙がめちゃめちゃ脆いこと。
これはモレスキンと比較して、という文脈でだけれど…
とにかく外出していることが多かった協力隊時代、どこでもノートを広げていた。
地元の方々のおうちで、空き家再生の現場で、活動用の車の中で。
ガガガッと書いてはリュックサックに放り込んでいたものだから、どんどんボロボロになっていきます。
地域おこし協力隊の3年間で書き潰したツバメノートは6冊、でもそのうち4冊は今やノートの形を成していません。
綴りが解けてしまった紙たちは、ダンボールの中に無造作にしまってあります。
すべて書き残して、後日見返したいわたしにはちょっと頼りない。
クリエイティブもアナログから
さて、この春までの「地域おこし協力隊」生活ですが、実は副業が公認されていた。
公務員としては活動から利益を生み出しにくい構造であることから、上がりの出そうな取り組みは個人事業として請けておりました。
- ライティング
- 企画構想
- DTP
まちづくりにつながる上記の案件を個人的に行うようになりました。
この自身を極限までクリエイティブに保とうとするとき、ノートは真価を発揮しました。
仕事に関する事実はノートに保存し、思いつくアイディアもすべて同じノートに記録する。
すると、頭は記憶することも思い出すこともしなくてよくなるのです。
新しい企画を考えるとき、脳に余計なタスクをさせないことが重要っぽい。
「あの仕事いつまでだっけ…」
「週末の予定は…」
「こないだお客さんにえらく怒られたな…」
こんなことは、クリエイティブな仕事をしているときにはまったくもって邪魔なわけです。
わたしはノートに書き出したものは一旦忘れてしまうという特性があったため、あらゆることをノートに保存することはクリエイティブ業に集中するための大事な要素となりました。
詳しく調べてないのでわかりませんが、これ結構有用ですよ!
2度目の転職、モレスキン返り
この春からNPO法人SMSCに入職し、同時に広報室を立ち上げました。
軸足を「地域福祉」に置きながら、引き続きまちづくりに関することをある程度自由にやらせてもらっています。
週の半分は福祉の現場に入り、これまで知らなかった世界を学びつつ。
もう半分で広報という名の何でも屋をやっています。
2度目の転職を経て、わたしのノート術は以前のモレスキン2刀流に戻りました。
昔と異なるのは、それに加えてMicrosoft OneNoteを使ってることでしょうか。
これまでアナログにすべてのアーカイブを残していましたが、遡るのがめちゃめちゃ大変でした。
日付でしかふり返れないため「あれはどこに書いたっけ」となること多々。
その点、デジタルなら検索がしやすいです。
OneNoteを使っている理由は特にないのですが、ジャンルごとに仮想のノートブックを作って分けていく感じがアナログっぽくて気に入ってます。
実はモレスキンに戻る前に使っていたノートがあります。
100円均一の雄、セリアの368ページノートです。
クラフトペーパーの質感がうれしい表紙に、申し分ないページ数。
どうせたくさん書くしこれはいいな、と3冊ほど使ってみました。
これがなんとも書きづらい構造なのだ…
ボリュームたっぷりゆえに開きにくく、またメインで使っていくにはちょっとだけ小さい。
糊付けを剥がして開きやすくするワザもあるらしいが、そこまで労力をかけたいと思わぬ。
書いた内容を人に見せるにも、うまく書けないので若干躊躇してしまうじぶんがおりました。
モノとしては決して悪くないと思います。
ただ、世の中にはもっと良い商品もある。用途によっては。そう思います。
新しいノートに出会いたい
とまぁそこそこのボリューム感でわたしのノート遍歴をたどってみました。
思ったのが、その時々に置かれている状況でノートの使い方は変わるものだなぁ。
じぶんとしては特段意識をしておらず、書きたいものを書きたいだけ書いているだけなのだが。
ちなみに今は協力隊の頃と同じくらいアウトプットが主で、新卒時代と同じくらいふり返っては思考を練り直しています。
でも、別にモレスキンが最高ってわけでもない。たまたま以前使っていたものが余っていたからというだけです。
正直モレスキンのマーケティングにやられてしまっている部分もある。
なんかいいノートないでしょうか?
ぜひご意見賜りたく候。
おわりに
これまで使ってきたノートをふり返るつもりが、わたしの仕事図鑑みたいになってしまった。
まぁそうだよね、そもそもノートを活用したいと思ったきっかけが社会人になるタイミングだったのだから。
でも、実際には仕事以外のこともノートにはたくさん書いています。
遊びの予定、毎日の記録、文化的な諸々の感想…
こういった事柄を記録し、読み直し、手を加える作業はとてもいいですよ。
今はSNSやブログなんかで日々発信している人も多いかもしれません。
手書きで残すのはほとんどじぶんのためのものです。将来のじぶんに宛てたもの。
これを読んで、ノート狂になってくれる人がひとりでも増えるとうれしい。
あっ。ノートの差し入れとかめちゃめちゃ喜びます。照
連絡お待ちしてます。
せいやくん久しぶり
おれ得の記事ありがとう!
今更の返信ごめん…笑
コメントありがとう!むかし浜松町のカフェでこんな話したな〜と思い出したよ。
人のノートの中身覗きたいよねぇ。