中国のAIアナウンサーから考える人間性の追求

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人間を計算機的に研究し、実装していくこと。
それって同時に、人間自体が機械的になっていくことにもつながるのでは。

中国からAIアナウンサー、賛否両論

こんにちは。しましまこと髙島聖也(@seiyatakashima)です。

中国で人工知能(AI)を使ったアナウンサーがデビューしたらしい。

▼AIアナウンサー、中国でデビュー 顔は実在「世界初」
https://www.asahi.com/articles/ASLCC3K0RLCCUHBI003.html

 中国メディアによると、AIアナウンサーは新華社とIT企業が共同開発。実在のアナウンサーの映像と声を利用し、表情やしぐさもつけてニュースを読む。放送した内容からさらに自分で学習し、読み間違いもない。英語と中国語を開発しており、近く実用化の予定という。

読み方や新語を都度覚えていくのだろう。
ニュースを読めば読むほど進化していくっぽい。

 新華社は英語ニュースサイトに英語を読むAIアナウンサーの動画を公開。実在のアナウンサーそっくりのスーツ姿の男性が時折まばたきしながら、「疲れることなく、インプットされた文章を読み上げます」などと自己紹介している。

新華社は「彼はチームの一員になった。24時間ネット上で働くことができ、コストを下げて効率を上げられる」と説明している。ネット上では「すごい。リアルだ」と言った評価の一方、「気持ち悪い。感情がこもっていないニュースは聞きたくない」という声も出ている。

画像・テキスト引用:https://www.asahi.com/articles/photo/AS20181111000946.html

これすごい面白いなと思ってます。

「リアルだ=人間らしい」「感情がこもっていない=人間らしくない」という相反する評価がなされている点について。

人間性を追求するということ

落合陽一氏(@ochyai)らが提唱するデジタルネイチャーDigital Natureが日々さまざまな技術の発展により現実化してきた。

その過程でこういう二律背反的な批評は尽きない、いや今後ますます増えていくのだろうと思う。

 

AIを中心としたデジタルネイチャーを生み出す技術って、これまでブラックボックスに包まれていた人間性の本質を計算機やシステムに落とし込むことでもある。

技術が進歩すればするほどに、人間自体も機械っぽく見えてくるんじゃなかろうか。

それは機械の人間化だけじゃない。人間の機械化とも同義だ。

 

このAIアナウンサーもそう。

定期的な瞬きは実装されているけれど、人間性を追求すれば徐々にーー良くも悪くも、機械的ではなくなっていく可能性がある。

人間性を追求していくと「24時間働けない」のでは?なんて思ってしまう。

だって、人間は昼夜ぶっ通しでニュース読めないでしょう。

複雑な単語を言い切れず舌を噛んでしまったり、生放送では緊張して汗がいつもより多めに流れたり。

 

AIアナウンサーとしては本末転倒だけれども、人間性を計算機的に追求するってそういうことだよねぇ。

そしてそれは同時に、人間自体を計算機的に読み解く研究と比例していくような気もする。

おわりに

我々が受け入れる/受け入れないに関わらず、計算機的自然は実社会に浸透していき、そして極めてナチュラルなカタチで我々自身も取り込まれていくのでしょうなぁ。

 

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