朝起きて、コーヒーの買い置きがない。
昨夜のうちに楽天で生豆を注文済みだった。明日には届くはず。
とはいえ、今日明日飲む分は絶対的に不足している。
ましてや、焙煎後の豆は5〜7日後からが美味しい。
この一週間を乗り切る分の、コーヒー豆が必要ということだった。
幸いにして、千住は焙煎所に事欠かない街だ。
明日にでもなにかしら買いに行こう。
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千住ほど暮らしやすい街もないように思う。
「衣食住」のすべてがお手頃価格で揃えられる。
「衣」は全世界的にファストなファッションが席巻している……が、アートの街でもあるため、セレクトショップやブランドの直営店も探せばある。こだわろうと思えばどこまででも追い求めることができそう(わたしは無印/ユニクロ/H&Mで生きているけれども)
「食」についてはなにも言うことがない。大衆向けからセレブ志向まで、選択肢に不便はない。
「住」は友人の大家ポールが日々開拓してくれている。心強い。
むかしなにかの本で、「衣食住」に変わる要素として「人本旅」を挙げていた(ような気がする)。
千住に良質な「本」はない。こればかりは残念だが、文句も言っていられない。
本、つまり良質な選書の機関がないのだ。都市型書店でニーズはほとんど満たされないのだ。
しかし、「人」には恵まれている。恵まれた環境に身を置いている。
いい本屋がないよね、という声かけに「じゃあ自分たちで作っちゃおうか」と応答がある。それくらいには自治のクリエイティブが豊富なエリアだ。
足りないものは作ればいい、という精神。それはまさにまちづくりの本質だろう。
いいタイミングで、いい街に引っ越してきたや。
さて、この街に「旅」はあるのか。
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日中はわーわーと仕事。
チームメンバーから腸活を勧められる。
「夏までに腹筋を割ってほしい」とまあ無茶なオーダーをいただいた。
可能な限りやってみよう。
おれは腸活で腹筋をバキバキに割るし、東大に受かるし、有村架純と結婚します。よろしくおねがいいたします。
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帰宅後は引き続き植本一子『個人的な三ヶ月 にぎやかな季節』。
読み進めるたびに引き込まれる。
限りなく現実の話なのに、ファンタジーのようにのめり込んでしまう。
仕事相手との関係、恋人同士の関係、家族間の関係、死者との関係……この日記文学の主軸のひとつは“関係性”だ。
関係性に名前をつけて、その状態に納得する。あるいは、名前をつけたがために、その状態とのギャップに葛藤する。
わたしは最近、人同士の関係性に名前をつけないように心がけている。
親友とか、パートナーとか、恋人とか、愛人とか、凝り固まったイメージにまみれた言葉をつけることで現実との乖離が生まれる、そんな気がしている。
それで“友だち”ばかり増える。