「にき」とともに歩き(2023.04.09)

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寝覚めに「パンとコーヒーの朝食で最高になろう」と提案し、下北沢のミクスチャーへ行くことに決めた。

若者の多く集まるエリアにあって、しかし穏やかな空気のあの店がわたしたちは好きだった。

 

のんびり準備をしていたら朝食というよりはランチタイムに突入した。しかし構わず店を目指す。

道中にはおびただしい数のカレー屋に、おびただしい数のカレー希望者が行列を成しておりおそろしい気持ちに。

ミクスチャーは「下北沢一番街商店街」という通りにあり、やはりここにもカレー屋およびカレー希望者がひしめき合っている。

「並ばずに入れるかな」と話しながら歩みをすすめると、目的の店近くにも行列らしきものが遠目に見える。

これはだめかもわからんね、と期待値を下げながら近づくと、行列に見えたものは軒先の植栽であった。

 

店内はガラガラ。イートインスペースもすんなり確保することができ、下がった期待値の分だけ幸福度は増した。

名物であるさまざまな種類のフォカッチャ、フライ系のサンド、ミネストローネとコーヒーでしっかり最高になった。

 

パン屋のイートインスペースという場所は、必ずしもくつろぐことを前提に作られていないと思う。

置かれているテーブルやイスはショッピングモールのフードコートに近いものがあるし、やはり回転率を上げることが重要なのか。

とはいえパン屋のイートインスペースでのみ生まれる空気感(それも幸福に近いもの)はたしかにあるような気がして、これは一体なんだろうね。

まだうまく言葉にできない気持ちを、うまく言葉にできないまま日記に書いておく。

 

・・・

 

歩いてBONUS TRACKへ。今日は日記祭が開かれていた。

さまざまな日記作家たちが集まり、自分の日記を書籍化して売っていた。

かねてよりの日記文学好きのため、はやる気持ちを抑えつつブースを周る。

fuzkueの阿久津さんがいる! 植本一子さんも新刊売ってる! あれは「日記屋 月日」の店舗で見たことがある人だ!

心の中だけで喜びをさけびながら過ごした。

 

前から気になっていたAHA!『わたしは思い出す 11年間の育児日記を再読して』を買う。

東日本大地震から現在までを生きた、ひとりの女性の育児日記を“再読”することで震災後を考え直そうという1冊。

手に持ってみると、さすがに圧巻のページ数だった。

 

fuzkue阿久津隆さんの『読書の日記』もそうだが、編集されすぎない圧倒的なボリュームのテキストを読むことの価値があるなと思う。

店にあったショッピングバッグに「にき」と書かれた犬のイラスト。

ちかちゃんが「このイラストかわいいね」と言い、圧倒的なボリュームの本は「にき」に入れられることになった。

 

・・・

 

「にき」とともに歩き、reload脇の緑道で散歩中の犬を見学する遊び。

最近特に犬好きのわたしたちにとって、まちを散歩する犬たちは実に尊い。

15分ほどベンチに腰掛けて、この日はトイプードル、柴犬、ポメラニアンと出会った。

特に黒い豆柴はかわいく、大変キュートで、わたしたちは彼が見えなくなるまでその姿を目で追った。

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