「歩道版Uber」WHILLの車いすは地方を変えるか

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「すべての人の移動を楽しくスマートにする」
すてきなミッションを掲げたWHILL株式会社が次代のステージに。
さて、これで地方はどのように変わるか。変わらないのか。

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気になったニュースをさくっと紹介。
Voicyの公式ITビジネスニュースでも取り上げられていたWHILLの資金調達の話。

パーソナルモビリティを開発・販売するWHILLは9月18日、約50億円の資金調達を完了したことを公表した。第三者割当増資によるもので、引受先はSBIインベストメント、大和証券グループ、ウィズ・パートナーズ、Mistletoe、Endeavor Catalyst、日本材料技研グループ、エスネットワークス、三井住友海上キャピタル、産業革新機構、Eight Roads Ventures、日本ベンチャーキャピタル、DGインキュベーション、みずほキャピタルの合計13社。

(中略)

WHILLは高齢者や障害を持った移動に問題を抱える人たちを支えるモビリティ製品。2014年に初号機となる「Model A」を米国中心に販売開始し、昨年4月に2号機となる「Model Ci」を販売開始している。

参照:WHILLが仕掛ける「歩道版Uber」、50億円を調達して新たなMaaSビジネスを開始へ

 

WHILLの商品は単なる“オシャレな電動車いす”ではない。

「歩行が困難である」という障害は車いすの普及とバリアフリー環境の推進によって改善しつつあるように思えるが、課題の本質は奥深い。
WHILLの創設ストーリーにもあるように「100m先のコンビニに行くのをあきらめる」といった車いすユーザーのリアルな声があります。

Model A

参照:WHILL model A features

 

デザインと機能性をもってその社会課題にアプローチするWHILL。
今後は「移動のシェア」を通じて電動車いすを街のインフラとすることでMaaS※プラットフォームのある世界を実現していくようです。

今後、WHILLは、個人用のモビリティとしての製品販売に加え、MaaS事業によるサービスの拡大も目指しています。具体的には、スポーツ施設、商業施設、空港、駅などさまざまな場所で、長距離を歩くことが困難な人々が、WHILLをシェアリングで一時利用することで、人々の移動をより便利にするというサービス・システムの構築を想定しています。また、その際、より安全に走行するための自動停止機能、介助スタッフや車椅子の回収に必要とされる人手を軽減する自動運転・追従走行機能などの実装も、パートナー企業とも協力しながら研究開発を進めていく予定です。

参照:(プレスリリース)WHILL株式会社が約50億円の資金調達を実施 海外展開加速とMaaS事業成長のための資金として

※MaaS:Mobility as a Service。この場合、WHILLの「パーソナルモビリティ」を所有しないカタチで利用可能なシステムを構築すること。

 

=====

 

ところで、こういったプラットフォーム事業を知るたびいつも地方での実装可能性について考える。
ある程度の物量と対象者の見込める都市部では実現ができるが、絶対量の少ない過疎地域ではしばらく厳しい。
なんて言っている間にサービスが終了する。

そんなXaaSサービスは枚挙にいとまがない。

 

社会問題へのアプローチをねらう事業にもその傾向は見られる。
とはいえ、社会問題はそれぞれの地域ごとに若干のローカライズが加わり、そこここに存在しているのだ。
「社会問題は地方にこそ存在する」という意味でも、課題解決型のサービスは広い範囲で実現可能なスタイルで提供されてほしいと切に願う。

(ちなみに、わたしの暮らし働く茨城県は未だに4G回線に接続できないエリアが存在するのだ…おそろしい…)

 

移動においては地方こそ課題が深刻化しており、公共交通機関の乏しい過疎地域などまさに「コンビニをあきらめる」ことなど日常茶飯事だ。いやそもそも最寄りのコンビニまで数km、バスは1日に3本、鉄道の駅は市内に存在しないとかそういう世界。

MaaSとして「移動サービス」があらゆる移動困難者のもとへ届く未来を願うばかりだ。
機器生産コストの縮小か、自動運転技術の発展か、はたまたコンパクトシティ構想の普及か。

 

=====

 

…などと厳しめの見解を表明しつつ、こういったXaaS型のサービスにはいつもワクワクしています。
「所有せず利用する」というテーマで数多のクラウドサービスやサブスクリプションモデルが一般化してきました。
「移動」のような人間の基幹的な活動をシェアリングエコノミーに乗っけることで、誰にとっても過ごしやすい社会に近づくのではないかと考えています。

また、WHILLの製品はパッケージ版がすでに広く流通しています。
街をゆくスタイリッシュな車いすを見かけたら、それがWHILLのパーソナルモビリティかもしれませんね。

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